自分で考え主体的に耕す意味と楽しさ よりい週末有機農業塾
こんにちは。井伊です。
埼玉県寄居町の事業として2021年5月から始まった、よりい週末有機農業塾(以下、農業塾)。6月最後の27日も天候に恵まれ、参加者のみなさんと畑仕事に勤しみました。
この日の仕事は、すくすく成長してきた夏野菜の管理、畑まわりで手に入る資源を堆肥化して作物栽培に使うやり方を学び、さらに宿題を出しました。
宿題は今回が初めての試みで、各自が好きな、または育ててみたい野菜を挙げてもらい、その野菜の種を選んでもらうことにしました。
畑仕事もほかの仕事と同様、常に数ヵ月さきのことを考えながら進めなければなりません。
まだ、梅雨は開けていませんが、秋野菜の種をまく準備の時期。ここで大事なのは、自分が主体的に動くことです。用意された種をまいたり、苗を植えたりするだけでなく、世の中に無数にある種の中から、自分で種を選び、それをまいて育てることで、たくさんの学びや気づきがあります。
なぜなら、考える必要が生じるからです。同じキャベツでも、この種(品種)とあの種は何が違うのか、カタログや種袋に書かれた●●はどういう意味か、いろんな疑問がわき、調べると、新しい世界がまた少し広がる。それが喜びや楽しさ、やりがいにつながると思っています。
種をまいたことがないと、種を身近に感じられず、種が抱える様々な問題も対岸の火事のようにとらえてしまいがちです。
でも、少し考えてみてください。日本人の主食の米は種、味噌や醤油の原料(大豆、小麦など)も種です。私たちは種を日常的に食べているのに、種の問題に無関心な人が多いのはどうしてなのでしょう。
自分で種を選び、それをまくことで、種に対する心理的な距離をもう一度縮め、問題の理解や解決の第一歩につなげたい。そんな想いもあって考えた宿題でした。
どんなことを考えて種を選んだのか、発表し合うのも、違う人の視点や意見を聞けて楽しいかもしれません。
机の上で詰め込むように勉強させられるのではなく、実在を目の前にし、自ら主体的に学ぶ楽しさや喜びを生み出す場にしていきたい。そうした地道な活動が、地域農業の意味や未来を考えることにもつながるはずだと信じて。
それではみなさん、また来週!
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