育てた野菜と出荷規格 よりい週末有機農業塾
こんにちは。農民の井伊です。
埼玉県寄居町で開催中のよりい週末有機農業塾、先日は、野菜の出荷規格について学びました。
出荷規格って??
という方も多いと思いますので、簡単にご説明します。
スーバー等の生鮮野菜コーナーには、一部を除き、定められた規格を満たしたもののみが並べられています。規格は産地や出荷団体などによって定められています。
例えば新潟県の場合、きゅうりの出荷規格は以下のように決められています。(出典:新潟県青果物出荷規格基準 野菜」
ア 品種固有の形状を有し、色沢良好なもの。
イ 適度に生育しているもの。
ウ 曲りの程度が2cm 以内であるもの。
エ 肩おち、尻太り、尻細りが目立たないもの。
オ 腐敗、変質していないもの。
カ 病害、虫害、傷害がないもの。
キ 清浄であるもの。
長さや重さも決められています。
例えばMサイズの場合はこうなっています。
●長さ 23cm以上 25cm未満
●重さ 120g以上 140g未満
こうした規格を満たさないものが、いわゆる規格外野菜です。
では、自分たちが育てた野菜を規格に当てはめてみるとどうなるんだろう? ということで、なす、おくら、万願寺唐辛子でやってみました。
長さを基準におくらを大中小にわけてみる。
万願寺唐辛子の選別
大きさや曲がり具合、色などで分ける
選別したおくらを計量。
これはだめでしょ、曲がってるし
色がよくないよね
えー?これしか残らないの?
これもだめ?
売れるのが全然ない!
結局、万願寺唐辛子とナスはごく一部を除き、みな規格外、おくらは300gくらいだけなんとか規格を満たすという結果に、予想以上の盛り上りを見せました。
規格外といっても、毎週、みなさんが収穫し、ご自宅でおいしく食べている野菜たちです。一週間に一日の農業塾なので、管理作業が追い付かない部分もあり、それが規格外を生む一因になっているということもありますが、それでも長さや重さ、曲がり具合などが厳密に決められた、工業製品を対象としたかのような出荷規格に、みなさん驚かれたようです。
単にもったいないから、規格なんてないほうがいいと単純化する前に、廃棄野菜を生むこの出荷規格は、一体何のためにあるのか、ぜひ多くの人たちに考えてもらいたいです。
フードロスの問題等があり、「残さず食べなさい」と言われます。もちろん残さず食べることは命に対する礼儀であり、有機とか無農薬とか叫ぶ以前の大切なことでもありますが、全体をなす構造や仕組みを知ろうとする姿勢も持ち続けていただきたいと思います。
明日から、スーパーで野菜をみる目が変わったら、それがきっと第一歩になるはずです。
それではみなさん、また来週!
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