水辺のレストラン・詳細アルバム ~ 井伊農場・寄居オーガニックカウンシル ~
寄居オーガニックカウンシルでは、当初より地元の有機野菜をその畑で食べてもらう「畑のレストラン」という催しを企画していました。ですが、新型コロナウィルス問題の発生により、それらの企画は仕方なく先延ばしになってきました。それでも、昨年度はどうにかコロナ対策をして、この「水辺のレストラン」を実施することができました。
そこで、ただ地元の有機野菜を寄居の自然の中で食べて頂くだけではなく、食べ物とはどういうものなのか、山や田んぼ、畑の関係はどうなっているのか、そもそも自然とは何なのか、そういった普段ほとんど考えることのないことについて今一度思いを巡らせてもらいたいと、井伊さんが以下のような一連のツアーを考えたのです。
スタートは山です。井伊さんが参加者の方々を山や田んぼ、畑に案内して作物や食べものについての話をします。
井伊さんは、天から降った雨が山に染み込み、養分を含んだ水が川となって田畑を潤し、大河を形成して多様な生き物を育む大海に注いでいくといった、その流れをわかりやすく体験できるようにと、井伊さんは山をスタート地点としたのです。
山の落ち葉の上で自然の営みを説明する井伊さん。
土の中には生き物がいっぱい
山では木々の落ち葉が毎年堆積し、虫や微生物などさまざまな生き物によって分解されて腐葉土となり、それが栄養となってまた森の木々を育てます。
その森に降った雨が山に染み込み、養分を含んだ水が川となって田を潤します。
田んぼでも土について説明する井伊さん
田んぼに入れる水は、山に降った雨が、養分を含んだ山の土を通って流れ出てきたものです。つまり山の恵みの水を田んぼに入れることで、田んぼにも栄養分が補給されます。その水で稲は育ち、稲とともにいろいろな田んぼの生き物たちも育まれるのです。
田んぼで取れた稲藁は、畑の野菜の苗を育てる踏込み温床作りに使ったり、敷き藁として使ったりします。
つまり、山と田んぼ、畑はつながっている、ここが大事なポイントです。
枯れ葉や小枝はやがて土になります。
「ニンジン採れたよ」
畑で育てたニンジンを、子どもたちにも実際に収穫してもらい、採れたてのニンジンや土の香りを味わってもらいました。
「香りが違うね」
「水辺のレストラン」会場は、秋の自然に囲まれた日本の里、風布川のほとりです。
山に雨が染み込み、森の養分を含んだ水がこうした川となって田畑を潤し野菜を育て、大河を形成して海に注ぎ、魚などの多様な生き物を育みます。
つまり、山は食べものを生む源。そうしたことから、食べものの源となる山に囲まれ、美しい川の畔のこの地「日本の里」風布川の水辺を「水辺のレストラン」の会場としました。
水辺のレストランのシェフは上村遊希さん。遊希さんは、井伊さんのところの野菜の美味しさをそのまま味わうことができる様な野菜づくしの料理を用意してくれました。
日本の里の自然に囲まれ、秋の明るいさわやかな陽ざしの中での食事は参加者のみなさんにとって素敵な体験になったようです。豊かな自然環境の中での素材を生かした美味しい食事、この日の「水辺のレストラン」は自然の中で自然の恵みを頂く、魅力的な貴重な時間と空間を体験いただけたと思います。
ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
2021年12月4日
寄居オーガニックカウンシル
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